リアルタイムレンダリングとは?基本知識やメリット、活用事例を解説
リアルタイムレンダリングは、ゲーム分野や建築分野などの広い業界で需要が高まっています。リアリティのある映像制作などにおいては欠かせない技術となりました。これから画像や映像の制作に関わる方の中には「リアルタイムレンダリングの意味を知りたい」という人もいらっしゃるでしょう。本記事では、リアルタイムレンダリングとはどのような意味なのか、基礎知識や利用するメリット、活用事例などを解説します。
目次
リアルタイムレンダリングとは?
レンダリングは、データを処理したり演算したりすることで、画像や映像、音声などを生成することを指します。
リアルタイムレンダリングは、このような処理をリアルタイムに行うことで、映像が動くと同時に、視点に合わせて景色を動いているように見せることが可能です。
リアルタイムレンダリングは、主にGPUを使用して処理を行います。GPUは、CPUの数倍から数十倍の画像処理能力を持っており、リアルタイムレンダリングを可能にしています。
リアルタイムレンダリングを利用するメリット
レンダリングはリアリティのある映像や画像の制作に欠かせません。ではリアルタイムレンダリングを利用するのはなぜなのでしょうか。ここではリアルタイムレンダリングの主な3つのメリットをみていきましょう。
リアリティを出せる
リアルタイムにレンダリングされる映像は、見る人により高いリアリティを体感させることができます。瞬時に反映される映像は、現実世界のように見え臨場感も増すのです。
事前にレンダリングを行うプリレンダリングでも、クオリティの高い映像や画像を見ることはできますが、リアルタイムレンダリングは臨場感や没入感を通して、よりリアルな映像を体験できます。
コンテンツの魅力を引き出せる
クオリティが高くリアリティのある映像や画像は、コンテンツの魅力を最大限に引き出すこともできます。
ゲームなど、体験を重視した映像を提供する場合には、リアルタイムレンダリングを使用することで、瞬時にレンダリングされた臨場感のある世界を再現することが可能です。特に、インタラクティブ性が重視されるオンラインゲームなどでは、リアルタイムレンダリングがスムーズな動きと映像を実現させます。
作業効率が向上する
リアルタイムレンダリングは、制作者や設計者にも大きなメリットをもたらします。
プリレンダリングはコンピューターによる計算が必要なため、処理に数時間かかる場合があります。しかし、リアルタイムレンダリングならば、データの解析と表示を同時に行うため、待ち時間が発生しません。また、リアルタイムレンダリングはGPUを使用するため、CPUを使った別の作業を同時に行えます。
リアルタイムレンダリングの活用事例
リアルタイムレンダリングの需要は拡大しています。ここでは、その活用事例をみていきましょう。
ゲーム
リアルな映像を駆使したゲームの多くに、リアルタイムレンダリングが使用されています。
たとえば、ユーザーが画面上でキャラクターを動かした際、キャラクターの視点に応じて映像がスムーズに表示されます。これにより、ゲームの画面が現実世界の映像のようにリアルなものとして実感できるのです。
ゲームは、リアルタイムレンダリングを体感しやすいコンテンツの一つだといえます。
ARやVR
ARやVRにもリアルタイムレンダリングが使われています。
VRは、ユーザーがゴーグルを装着した状態で映像を見ます。その際、ゴーグルのディスプレイに映し出された映像は、ユーザーの顔の動きと視点に合わせて表示され、リアリティのある映像を表現します。
VRは仮想現実で、ユーザーにリアリティと没入感を与えるコンテンツであるため、リアルタイムレンダリングは欠かせません。
ARやVRについては、「ARとは?仕組みや種類、活用シーンなどをわかりやすく解説」や「VRとは?仕組みや活用シーンなどをわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。
建築
リアルタイムレンダリングは、建築の分野でも活用されています。
たとえば建築物の設計にて、静止画のパースにアニメーションで動きをつけることで、よりリアルなパースを制作可能です。VRでパースを見せるならば、建物の特徴などをあらゆる角度から確認できます。その際に、リアルタイムレンダリングを活用すれば、時間や天候に合わせた建物の表情をリアルに見ることができるのです。
リアルタイムレンダリングは、建築のビジュアル表現に有効な技術となっています。
リアルタイムレンダリングのおすすめソフトウェア
リアルタイムレンダリングが可能なソフトウェアは、各メーカーによってさまざまなものが提供されています。
レンダリングソフトウェアとして広く使われているのは、「V-Ray」というレンダリングのためのソフトウェアです。さまざまな3Dモデリングソフトに対応しており、プラグインとして導入し利用できます。
たとえば、3DモデリングソフトのSketchUpには、「V-Ray for SketchUp」などがバンドルされたSketchUp Studioという技術者向けの最上位シリーズがあります。V-Ray for SketchUpは、リアルタイムレンダリングはもちろん、フォトリアルレンダリングも搭載されているオールインワンのレンダリングソフトウェアです。
V-Rayに関して、詳しくは「V-Rayとは?強みや価格などについて紹介」の記事で解説しているのでご確認ください。
「Twinmotion」もまた、リアルタイムレンダリングを採用したビジュアライゼーションツールです。作成した3Dモデルをインポートし、ライティングやマテリアルの変更、植栽の配置といった装飾を施して、ビジュアライズができます。その際にはリアルタイムレンダリングが行われるため、レンダリングのための長い待ち時間は必要ありません。
それぞれの製品については、下記をご覧ください。
・V-Ray for SketchUp
・Twinmotion
リアルタイムレンダリングを活用してハイクオリティなコンテンツを制作しよう!
リアルタイムレンダリングを活用すれば、3Dモデルの映像や画像を処理すると同時に出力できます。特に、ゲームやVR映像、建築分野などで需要が拡大している技術です。ユーザーが臨場感や没入感を体験できるだけではなく、制作者の作業効率向上にもつながりますので、積極的に導入したい技術でもあります。リアルタイムレンダリングの基礎知識やメリットを生かして、クオリティの高いコンテンツを制作してみましょう。
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