技術提案とは?その重要性や手順、作成におけるポイントを解説
技術提案は、顧客に自社の技術力を伝えるために重要なものです。提案書は、読み手にとってわかりやすく書くことが大切であり、そこに盛り込まれる3Dモデルなどの視覚情報は、内容を直感的に伝える役割を果たします。本記事では、技術提案とは何か、技術提案の手順や仕事を受注しやすくなるポイントなどを解説します。
目次
技術提案とは
技術提案とは、企業が自身の技術やサービスを顧客に伝えて、正しく理解してもらうものです。
具体的には、企業の技術が顧客の具体的な問題やニーズにどのように応えることができるかを明確にする書類として活用します。特に建設業界においては、3Dモデルやシミュレーションなどの技術を駆使して提案を行うことで、顧客に対して自社の技術力と課題の解決策の有効性を強調するものです。
顧客が直面する課題を深く理解し、それを解決するための技術をアピールすることで、自社の技術を採用するメリットを伝えます。
技術提案の重要性
技術提案は、単に自社の技術やサービスを顧客に紹介するだけではありません。顧客との信頼関係を結び、自社の専門知識と解決能力を証明するために重要なものです。最終的には案件を受注する可能性を高める重要な提案になります。
特に、競争が激しい市場においては、効果的な技術提案を行い、顧客が自社を選ぶメリットが大きいことを示す大切な機会です。技術提案を成功させることが、ビジネスにおいて重要な役割を果たします。
技術提案の手順
技術提案を行う場面には、公的な建設業などのプロポーザル方式という入札方式が想定されます。プロポーザルとは、入札において、優先的に入札交渉できる企業を選定する制度のことです。ここでは、国や地方自治体の公共工事にともなう技術提案の基本的な手順をみていきましょう。
参加表明書を提出する
技術提案を行うには、まず入札への参加表明書を提出するのが一般的です。
国や地方自治体が行う公共工事の競争入札に参加するには、定められた参加資格が必要となります。資格を有する企業のみが入札に参加可能です。
まずは、資格基準が表明され、適格であることが確認された企業は、参加意向を示す表明書を提出できます。提出期限内に必要書類を整えて手続きを完了させましょう。
技術提案書を提出する
参加意向の表明後、条件をクリアしているとの認定を受けた企業は、次に技術提案書を作成します。
選ばれた企業には選定の通知が送られるため、通知を受け取った企業は、締め切りまでに具体的な提案内容を含む技術提案書を提出します。選定においては、技術提案書に対するヒアリングが行われることもあります。
審査が行われる
技術提案書の提出とヒアリングの終了後、次は国や地方自治体による査定が行われます。
審査期間から数日間経過すると、結果に基づき入札参加や交渉の開始についての詳細が企業担当者に通知されます。通知が来るまでは、企業側が行うべき特別な作業はありません。
価格交渉や入札の完了
落札方式によって異なりますが、たとえば、選定された企業が入札者となる「総合評価落札方式」の場合は、入札完了となります。その後、大規模な問題が生じなければ直接工事フェーズに進むことができます。
プロポーザル方式の場合は、承認された企業が優先的に交渉権を得ることになります。交渉が成立すれば、プロジェクトの実施へと移行します。
技術提案で受注しやすくなる書き方のポイント
技術提案によって、仕事の受注は左右されます。ここでは、受注しやすくなる技術提案の書き方のポイントをみていきましょう。
課題解決が可能な技術であることを示す
技術提案は、提案する技術が顧客の具体的な課題を、どのように解決できるかを明確に示すことが重要です。
顧客が直面している問題を深く理解し、それに対する自社の技術やソリューションがどのように効果的な解決策となり得るのかを詳細に説明します。また、技術だけでなく、それが実際に顧客の課題をどのように克服するのか、事例やデータを用いて示すと信頼性と説得力を高めることができます。
実施可能なことを示す
提案する技術やソリューションが実施可能であることを証明します。
具体的には、技術的な実現の可能性、必要なリソースや時間、実施にあたっての計画とスケジュールなどが挙げられます。実施に必要な技術力や専門知識があることを明確にするとともに、顧客がそれらを理解できる形で記述することが大切です。なぜ実施可能なのかを明瞭に顧客へ伝えましょう。
顧客のメリットを示す
顧客に対して提案する技術やソリューションが、技術的に優れているだけではなく、顧客にとって具体的なメリットや価値があることを示すこともポイントです。
たとえば、コスト削減や効率の向上、リスクの軽減や新たなビジネスチャンスの創出などが挙げられます。顧客に直接的な利益をもたらす点を具体的に説明することが大切です。顧客の立場で技術提案をみたときに、メリットを感じられるかどうかを考慮しましょう。
実績を示す
過去の成功事例や実績を示すことは、技術提案においてのポイントのひとつです。
類似の課題を解決した経験や、技術やソリューションが実際に有効であることを顧客が具体的にイメージできれば、自社がそれを実現できる能力を有していることが証明できます。これにより、顧客に安心感を与え、提案への信頼を高めることが可能です。
デメリットを把握していることも示す
技術提案では、提案する技術やソリューションのメリットだけでなく、潜在的なデメリットやリスクも正直に示すことが重要です。
顧客に対して、自社の提案に対するデメリットも把握していることを提示することで、透明性と信頼性を高めることができます。リスクの評価が正しくできていること、それに対処するための計画や対策があることを示すことで、顧客に安心感を与えられるでしょう
直感的にわかるようにデザインで示す
技術提案に記載している内容の理解を深め、より魅力的な提案書にするためには、直感的にわかるデザインを活用することが効果的です。たとえば、3Dモデル、グラフ、図表などを用いて、技術の概念やプロセス、期待される成果を描くなどの方法があります。
技術提案書の内容を可視化することで、提案内容の直感的な理解を促します。特に複雑な技術やソリューションを提案する際には、3Dモデルなどのデザインを通じて顧客に明確かつ具体的なイメージを伝えましょう。これにより、提案の受け入れやすさを大きく向上させることができます。
3Dモデリングについての詳細は、「3Dモデリングとは?表現の種類や3Dモデリングソフトの選定ポイントなどを解説」の記事で解説しています。
技術提案にSketchUpの活用を
技術提案書の内容を可視化するために活用したいのが3Dモデルです。3Dモデルなら、複雑な構造やデザインをひと目でわかるように可視化できます。
3Dモデルの作成には、3Dモデリングソフトが必要です。たとえば、3DモデリングソフトのSketchUpは、直感的な操作性で3Dモデルを作成できるため、3Dモデリング初心者から上級者まで幅広い層が活用できます。また、わかりやすいアイコンで機能が表現されているため、ツールも選択しやすいソフトです。
SketchUpに付属しているLayOutというアプリケーションを使えば、作成したモデルを使って2Dドキュメントが作成できます。テキストの入力や表の挿入もでき、PDFへのエクスポートもできるのでLayOutで資料を作成することも可能です。また、 SketchUpで作成したモデルはPNGやJPGといった画像に書き出すことができます。3DWarehouseやBuildMate(*1)といった3D素材集を使えば、モデリングに不慣れな人でも素材を組み合わせたものを画像として書き出して提案書に挿入すれば、手軽に3Dモデルを提案書に取り込むことが可能です。
3Dモデリングや2Dドキュメントの作成、素材集など、技術提案書の作成に活用できる機能が多く備わったSketchUpは提案書作成におすすめのソフトです。
LayOutの詳細についてはこちら、素材集BuildMateの一覧はこちらをあわせてご覧ください。
(*1)アルファコックスからの購入者限定特典
技術提案書のポイントをおさえて相手に伝わる3Dモデルを作成しよう!
技術提案は、自社の技術やサービスを顧客に正しく伝えるとともに、その技術が顧客の具体的な問題やニーズに応えられることを示すための重要なものです。技術提案には、顧客に提供する具体的な技術をわかりやすく記載する必要があります。そのためには、文章だけではなく、図表や3Dモデルといった資格情報を盛り込み、読み手がイメージしやすい資料にすることが大切です。提案書の作成には3Dモデリングソフトを活用するなどして、直感的にわかりやすいデザインにしましょう。
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